更新日:2024年10月30日

ドライヘッドスパのターゲット・ペルソナ客の写真

ドライヘッドスパのターゲットとペルソナの設定・メリット・デメリット

今回は、スクール卒後にドライヘッドスパサロンを開業するにあたって重要となる『ターゲット』と『ペルソナ』を設定する方法について解説します。

 

それぞれのメリット・デメリットについてもご理解いただき、これからのサロン開業のお役立てください。

 

講師(江口)

これから資格講座で学ぶ方、すでにドライヘッドスパをメニューに取り入れているサロンも役立つ情報となっております。

執筆者:一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会 理事長 江口征次

ターゲットとペルソナの違い

「ターゲット」と「ペルソナ」は、どちらもご来店いただきたいお客様を明確にするための概念ですが、使い方と目的に違いがあります。

 

どちらかを決めるのではなく、どちらも決めてからドライヘッドスパサロンを開業することをお勧めします。

 

補足

ターゲットは「標的」のことで『顧客ターゲット』や『ターゲット顧客』ともいいます。ターゲットを絞ることを「ターゲティング」といいます。
ペルソナは「仮面」を意味する言葉で、人が社会に適応するために用いる外的側面を仮面に例えて使用しています。

 

ターゲットとは

「顧客のターゲット層は?」といった会話があるように、ターゲットは商品やサービスが提供される顧客層全体のことを指します。

 

年齢、性別、職業、所得、地域などの基本的な属性をもとに、大まかなグループとして設定します。

 

ターゲットを設定することで、集客方法やリピーター獲得への施策の方向性が決めやすくなります。

 

スクール講師の画像
ドライヘッドスパサロンは、更年期世代の方のご利用が一番多いと思いますが、実際は20代から70代まで幅広いですね

 

講師(西口)
本当にそうです。

 

就職活動中の学生さん、国家資格を控えた試験勉強中の方など、若年層のご来店が多いのもドライサロンの特徴ですね。

 

スクール講師の画像
確かに多いです。

 

お受験の勉強疲れで中学生がご来店されたことがあります。

 

あとは育児で睡眠不足の主婦層や、介護でお疲れのミドル層、シニア層も多いです。

 

スクール講師の画像
年齢層で絞るのは悩ましいですね。

 

頭や眼を酷使する仕事や夜勤の方など、バリバリ働く世代も当然お越しになります。

 

ボリュームが多い年齢層をターゲティングするのもいいですが、個人サロンの場合は「どの世代を応援したいか」といった考えで設定するのがよいかも?

 

ターゲット(例)東京サロン

  • 年齢:35代〜45代
  • 性別:女性
  • 職業:未婚の会社員
  • 地域:東京都港区
  • ニーズ:脳疲労のケア、寝不足の解消

 

ペルソナとは

ペルソナはターゲット層の中から、さらに具体化した「理想的な顧客像」です。

 

名前や年齢、職業、趣味、ライフスタイル、価値観などを細かく設定し、一人の具体的なキャラクターとして描き出します。

 

ペルソナとして理想的な顧客のイメージが固まれば、その行動や思考までを深く理解することができ、購買意識に響く提案が可能になります。

 

ペルソナ(例)東京サロン

  • 名前:田中あい
  • 年齢:36歳(1990年生まれ)
  • 職業:外資系企業のマーケティング担当
  • 趣味:ヨガ、アロマテラピー、旅行
  • 悩み:仕事のプレッシャーやPC作業で肩こりが強く、目や頭が疲れている。夜の睡眠の質が良くなく、翌日のパフォーマンスに影響が出ている

 

講師(西口)
お名前は、1990年生まれの「人気の名前ランキング」1位から名付けました。

 

1990年生まれは、ミレニアル世代とも呼ばれており、デジタルネイティブの方が多いです。

 

違いのまとめ

  • ターゲットは、より広範なグループ全体の属性を指し、集客方法や常連化への施策など営業活動の全体の方向性を示すもの
  • ペルソナは、ターゲット層の中から理想的な一人の人物を割り出すことで、集客方法・常連化施策などの営業活動をより具体的にするもの

このように、ターゲットが「大まかな枠組み」を示すのに対し、ペルソナはその枠組みの中で「理想的な顧客」を描くためのツールとして利用されます。

 

スクール講師の画像
ターゲット層を決めてからペルソナを決める流れですね。

 

ドライヘッドスパサロンで受付をするターゲット顧客の写真

ターゲット層を明確にする

ドライヘッドスパの顧客ターゲットを明確にするために、まずどのような層がドライヘッドスパを求めているかを考えます。

 

一般的なドライヘッドスパの場合は、日常のストレスやスマホなどのデジタル疲労がある30代から50代の働く世代や、睡眠の質向上を目指す意識が高い若年層などが適しています。

 

整体法が入ったドライヘッドスパなど【結果追求型サロン】の場合は、更年期世代が該当します。

 

スクール講師の画像
まずは、自分のドライヘッドスパにどんな強みがあるのかを知ることからスタートですね。

 

スクール講師の画像
そうなると、どこの資格講座で学ぶかにっても変わりますね。

 

私は、ドライヘッドスパ単体で考えず「ドライヘッドスパ」 × 「腸セラピー」など掛け合わせるのがおすすめです。

 

スクール講師の画像
そうですね。 当スクールの「脳腸相関セラピー」は、人気が高いです。

 

講師(西口)
腸セラピーのあとにドライヘッドスパをすると爆睡される方が多いです。

 

強み・売りが明確になれば、ターゲットやペルソナも作りやすいですね♪

 

関連:ドライヘッドスパはよくない理由は何ですか?否定派が語る理由とは

 

メリット・デメリットを天秤で表す画像

ターゲットを絞るメリットとデメリット

何にでも良い面と悪い面はあるのもです。

 

ターゲットを絞るメリット・デメリットを把握したうえで、ドライヘッドスパサロン経営に取り組んでください。

 

メリット(1)訴求力の向上

SNSなどで情報を発信しやすくなった現代において、顧客ターゲットを絞ることは、特定の層(属性)に対して強く響くメッセージが届けやすい環境にあります。
ニーズに合ったドライヘッドスパのプロモーションができるため、ターゲット層に共感してもらいやすくなり、集客効果も上がります。

 

メリット(2)リソースの効率的な活用

常連客が少ない開業当初は「誰でもいいから来てほしい」と思ってしまいますが、広範囲に集客しようとすると、広告費や人員(労力)が分散してしまいます。
しかし、リピーター率など中長期的に考えると、ターゲットを絞ることで、限られたリソースを効果的に集中投下することが賢明な判断となります。
無駄を減らし、集客コストを抑えられる点も大きなメリットです。

 

メリット(3)ブランドイメージの強化

明確なターゲット層を設定することで、ドライヘッドスパ持つ特徴や施術の価値がより明確になります。
例えば「睡眠に特化した仮眠をもたらすドライヘッドスパ」や「自律神経を整えるセロトニン活性ドライヘッドスパ」といった独自のポジショニングが確立しやすく、ブランド力が向上します。

 

メリット(4)リピート率の向上

「気持ちいい」と言ってくれるけどリピートしないと悩んでいませんか?
顧客ターゲットを絞ることは、具体的なニーズにフィットしたお客様が集まるため、満足度が高く、リピート率アップに繋がりやすくなります。
また、同じようなニーズを持つ人を紹介してもうクチコミが発生しやすく、お客様の常連化が図れます。

 

デメリット(1)潜在顧客を逃す可能性

ターゲット層を安易に絞ることで、他の層の興味を引くチャンスを逃す可能性があります。
例えば、「睡眠に特化したドライヘッドスパ」と強く打ち出しすぎると、睡眠には関心がない頭の凝りや薄毛の改善を求める他の層に響かないかもしれません。

 

デメリット(2)市場が限られる

メリットを意識して顧客ターゲットを絞りすぎると、市場が狭くなりすぎる場合もあります。
オープンして間もない店舗であれば、まずはある程度広い層を取り込み、反響を確かめてからターゲットを絞り込むのも一つの戦略です。
セラピストが一人の小さなサロンの場合は、軌道修正しやすいので固定観念を持たず手探りで試していくべきです。

 

デメリット(3)変化に対応しづらい

顧客ターゲットに合わせたコンセプトのドライヘッドスパであるべきだと思います。
しかし顧客ターゲットを絞り過ぎた、いわゆる「狙いすぎ」のサロンは、時代の変化によりニーズが変わった場合、柔軟に対応しにくくなる可能性があります。

 

デメリット(4)ライバル店の増加リスク

特定の層に絞り込んでいると、同じターゲット層を狙うライバル店が現れたときにお客様を奪われるリスクがあります。
例えば、自分のサロンと同じ「睡眠特化型ドライヘッドスパ」が近隣に現れた時、ご新規様50%割引クーポンなどで、一気にお客様を横取りされる可能性があります。
その後も価格競争にも巻き込まれるため、睡眠ライフスタイルプランナー資格、セロ活アドバイザー資格、東洋医学アドバイザー資格、頭皮毛髪アドバイザー資格を取るなど、予めセラピスト個人の強み、売りなどを明確にして他店との差別化を図ることが重要です。

 

スクール講師の画像
メリット・デメリットの全部を同列に考えると悩むので、どのメリットに重きを置くか、どのデメリットを重視するかを選択しましょう。

 

関連:他のスクールにはない独自の特徴・ドライヘッドスパ資格講座の選び方

 

ペルソナ設定の作り方

ターゲット層が決まったら、具体的なペルソナを設定することで、よりターゲットにアプローチしやすくなります。

 

例えば、「30代の働く女性」「睡眠改善を望む50代のビジネスマン」など、年齢、職業、生活スタイルなどを細かく設定することで、ターゲットが明確になります。

 

あなたサロンが得意とするドライヘッドスパは何に特化していますか?

 

それを一番喜んでくれそうな人は、どんな人ですか?

 

ペルソナ設定は、理想の顧客像を具体化し、集客戦略を設計するための基盤となります。

 

どんな商品やサービスでも顧客ターゲットを明確にすることが、効果的な集客・売上アップを実現するため近道になるといわれます。

 

以下に、ペルソナ設定のコツを解説します。

 

データ収集から始める

まずは、どのような層がドライヘッドスパに興味を持っているかのデータを収集します。

 

具体的には、以下の情報源を活用しましょう。

 

ライバル店の顧客層の分析

他のドライヘッドスパサロンのターゲット層をリサーチし、自店のターゲット層に合うポイントや差別化できる点を見つけます。

 

SNSやクチコミなどのオンラインレビューの分析

ドライヘッドスパに興味を持っている人々が、どのようなニーズ(欲求)を持って来店しているのか、どんな情報を求めているか、どのような点に魅力を感じているかを探ります。

 

サロン巡りをする

なるべく多くのドライヘッドスパサロンに足を運んで調査します。マンションサロン、自宅サロン、商業地、オフィス街、チェーン店に出向き自ら接客サービスを体感してください。その際にチラシ等のいただける資料は持ち帰り分析しましょう。(店内で許可なく動画や写真撮影をすることはマナー違反です)

 

既存顧客のアンケート

すでにサロン経営をしている場合は、今いるお客様にアンケートのご協力をいただきます。ドライヘッドスパと合わせて受けたい他のメニューなども調査します。

 

同業者への聞き取り

同じスクールの卒業生など、実際にサロン開業をしてみて「どんなお客様が来店しているか」を尋ねることが一番リアリティがある情報になります。
スクールが開催する懇親会・親睦会・卒後の勉強会などで聞き取り調査をしてください。

 

スクール講師の画像
『自分が抱えていた悩みをドライヘッドスパで解決できた』など、セラピスト自身の経験を活かして、自分自身をモデルにしてターゲットやペルソナを組み立てることも良いと思います。

 

ペルソナの基本プロフィールを作成する

次に、ペルソナの基本的なプロフィールを作成します。

 

この段階では、年齢や性別、職業、家族構成などの情報を具体的に設定します。

 

たとえば、「30代の働く女性」「50代の経営者」など、詳細に設定していくことが重要です。

 

年齢

年代ごとのニーズに合わせた集客アプローチを行うため、ターゲット層を具体的に絞り込みます。

 

職業・生活スタイル

職業やライフスタイルによって、求めるリラックス方法や時間帯、頻度が異なるため、ターゲットの普段の生活を考慮します。

 

居住地や行動範囲

近隣の会社員や、遠方から来店する顧客層がいるかなど、来店可能な地域も考慮しましょう。

 

眼精疲労が悩みでドライヘッドスパを受ける女性

ペインポイント(悩みや課題)を特定する

ペルソナが持つ「ペインポイント」、つまり日常生活での悩みやストレスの原因を明確にします。

 

ペインポイントを理解することで、ターゲット層がドライヘッドスパに求めるニーズが見えてきます。

 

例えば、以下のようなペインポイントが考えられます。

 

睡眠不足や睡眠の質の低下

寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めるなど、睡眠改善を求める層、体質改善をしたい方々にアプローチ

 

肩こりや頭痛・眼精疲労

パソコン作業の多いビジネスパーソン、IT系のお仕事、働く世代にアプローチ

 

スマホ病による身心疲労

SNS中毒など若年層向けのデジタルデトックスの一環として健康意識が高い方々にアプローチ

 

自律神経の乱れ

夜勤などの不規則な労働環境、育児、子育て、介護疲れ、更年期世代のケアとしてアプローチ

 

スクール講師の画像
お悩みに発展するまでのプロセスや、関連を知っておくとスムーズに特定できそうです。

 

ドライヘッドスパ資格講座で頭以外についても学ぶことは、ここにも活かされるわけですね。

 

講師(西口)
新しい層が発見できれば、今までにないコンセプトのドライヘッドスパサロンができそうですね。

 

開拓の余地はあると思います。

 

スクール講師の画像

ペルソナの目標や理想像を設定する

ペインポイントと同時に、ペルソナが求める「理想の状態」や「目標」を設定します。

 

例えば、「快適な睡眠を得たい」「日々のストレスを軽減したい」などです。

 

ペルソナの目標が具体的に分かれば、それに応じた施術内容やサービス内容を強調できます。 

 

ペルソナのストーリーを作成する

ターゲット層に感情移入しやすくするために、ペルソナのストーリーを作ります。

 

例えば、次のようなストーリーを作ると、具体的なニーズに合わせた集客戦略が考えやすくなります。

 

例:「30代後半の女性会社員、日々の残業で疲労がたまっており、肩こりや頭痛に悩んでいる。リラックスを求めて週末にドライヘッドスパで癒されたいと考えている。」

 

ペルソナをもとにした施策の立案

最後に、作成したペルソナをもとに、ターゲット層に合った具体的な施策を立案します。

 

SNS広告のターゲティングや、特典付きのキャンペーン、回数券の販売など、ペルソナに響く施策を展開することで、効果的に集客を図ります。

 

また、ペルソナのニーズや目標に沿ったコンテンツをブログやSNSで発信し、継続的な関心を引きつけることも重要です。

 

最後に

いかがだったでしょうか?

 

今回は、ターゲットの絞り方、ペルソナ設定についてメリット・デメリットも踏まえて解説しました。

 

もしかすると、頭を悩ませるような内容だったかもしませんが、できることから始めていただければ大丈夫です。

 

自分一人でサロン開業をする人は、はじめは大雑把な枠組みだけにして、お客様の反応をみながら軌道修正するのが一番です。

 

ドライヘッドスパの技術とホスピタリティを磨きつつ今回の内容にチャレンジしてみてください。

 

ターゲットを絞った集客についての共感が得られる名言・格言・ことわざ

 

「万人に愛されようとすると、誰にも愛されなくなる」

この言葉は、特定の層に強く訴求しなければ、かえって誰にも届かなくなるという意味を持ち、ターゲット設定の重要性を表しています。

 

「何かを選ぶということは、他のすべてを捨てること」

選択と集中を大切にする意味が込められており、ターゲット層を決めることが集客の成功につながることを示唆しています。

 

「二兎を追う者は一兎をも得ず」

一度に複数のターゲットを狙わず、一つのターゲットに集中することの大切さを示すことわざです。ターゲットを絞ることの効果を強調しています。

 

「成功の秘訣は、選択と集中である」

経営学者のピーター・ドラッカーの名言で、効率的な経営には選択と集中が重要であることを語っています。

 

 


ヘッドセラピスト江口

この記事の執筆者

一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会

理事長 江口 征次

癒し以上を提供するドライヘッドスパ・ヘッドマッサージの専門家

ヘッドライフなど複数WEBサイトの管理人

2010年よりヘッドセラピスト養成講座を開始し、日本全国、海外からも受講がある人気講座を主催している。

 


講師|ヘッドセラピスト大八木(東京代表)

東京代表

大八木さとこ

セロ活アドバイザー代表

セロトニンDojo認定セロトニントレーナー

睡眠健康指導士

感涙療法士

科学的根拠がある癒し・セロトニン活性を軸に様々な施術の指導をしています。

 


講師|ヘッドセラピスト藤井

名古屋代表

藤井なおみ

睡眠ライフスタイルプランナー代表

睡眠健康指導士

食育アドバイザー

ヨガインストラクター

睡眠に悩みを抱える人々に向けて睡眠リテラシー(睡眠活用能力)を高める活動を提案しています。

 


講師|ヘッドセラピスト森脇

福岡代表

森脇ゆう

50代が対象の整体スクール アクトエール整体学院 学長

NPO法人日本ストレッチング協会 認定インストラクター

日本成人病予防協会 認定生活リズムアドバイザー

健康リズムカウンセラー

筋膜の繋がりを考慮したボディケア・ストレッチが得意です。解剖学の無料動画も作成しています。

 


講師|スパニスト西口

ヘッドスパ(美容・理容師)部門代表・大阪講師

西口まき

美容師

シャンプーソムリエ

日本成人病予防協会 認定生活リズムアドバイザー

健康リズムカウンセラー

タカラベルモントのYUME DX(ユメデラックス)を使用した日本初の整体ヘッドスパを行っています。